今日は家族と、おふさ観音に行ってきました。たくさんの風鈴を見て、涼んできました。暑かったですが・・。
NHKで、「はつ恋」というドラマが放送されていました。
私はあまりテレビを見る方ではありませんが(もともとはテレビっ子、しかし今は子供の相手で見られない)、それでもチラホラと見たりもします。
主人公は肝臓がんを患います。ときどきしか見ませんでしたので、詳細は知りません。原発性か転移性か・・、もともとの肝臓がんに関連する患者背景などなど、想像すること多数。昔に交際していた男性が、ゴッドハンドの外科医になっていて、その彼に再会して・・・という切ない話です。ひょっとしてこれぞ流行りの韓流!?(私は一度も見たことがないが)と思わせるような、主人公の高校生時代のちょっとセピア色な風景も、センチメンタルな気持ちにさせます。流石NHKドラマ。
チラホラ見たりするというのは、私の専門領域が“一応”肝臓疾患であるからです。テレビで“肝臓”という言葉でると、ついつい見てしまいます。やはり気になってしまうのです。パブロフの犬・・・程ではありませんが。町医者となり、ほとんど肝臓疾患をわずらう患者さんに出会うことはなくなりました。地域柄もあろうかと思います。また、残念ながら“神の手を持つ医師”ではないからかもしれませんから、遠方から訪ねてこられる方もおりませんし。肝臓のことで相談されることは、非常にわずかです。しかしながら、相談された際にはついつい力が入ってしまいます。
日本での、肝臓がんの原因の90%が肝炎ウイルスで、C型肝炎が肝臓がん全体の約70%、B型肝炎ウイルスが全体の約20%となっています。
C型肝炎は日常生活で広がっていくことは考えにくいので、同居家族やパートナーに日常生活でもうつるリスクのあるB型肝炎が問題として取り残されるようになります。ついつい、主人公はB型かな?だったら旦那や子供は予防接種しとるんかいな・・、などとつまらぬ思考をしてしまいます。ドラマが台無しです。
予防ワクチンのあるB型肝炎ウイルスは、ワクチンで予防しようということに世界が取り組んでいます。
しかし、“世界初”のがんを予防するワクチン“であるB型肝炎ワクチンは、日本の予防接種プログラムには定期接種には入っていません。子宮頸がんワクチンが、唯一のがんワクチン!
というような記事を見たことがあります。実際にはB型肝炎ワクチンの方が、はるかに以前から存在しています。
ドラマを見て、町医者として、自分の目の前にいる患者さんくらいは、“予防できる病気は何とか防ぎたい”と思うのでした。