本日は朝からクリニックの整理と自宅の芝刈りです。普段運動をしない私には、炎天下での半日の作業は、かなりの体力を失います。先日フラフラになってしまったため(「脱水」でブログ書いたかもしれません・・)、近くのコーナンで麦わら帽子を購入しました。多少の雲も影響したでしょうが、なかなか効果は実感できました。「温故知新」とはこのことで、麦わら帽子が今でも生き残っているのにはやはり理由があるということですね。
以前に「家庭菜園と破傷風」ということで、特に高齢の方の破傷風への予防の意識は大切とお話ししました。私も本日の芝刈りで、小さな虫とはいえ、チクチクと刺されました。私は「痒い」だけで済んでいるのですが、そうではない場合もあるのです。
「アナフィラキシー」と言う言葉をご存じでしょうか。 簡単に言えば、強い全身アレルギーのことです。スズメバチやそばアレルギーなどが有名なところでしょう。アレルギーといえば、じんま疹や掻痒感を思い浮かべる方が多いと思いますが、それよりもさらに強く、致命的になりうる病態です。重症の場合は呼吸困難、血圧低下、意識障害を引き起こし、死につながることもあります。
激しい全身アレルギーであるアナフィラキシーを起こした時の最も重要かつ速やかに行うべき処置は「エピネフリン」の投与です。医療機関に直ぐに行くことができればよいのですが、山中で林業に従事している時にハチに襲われたりしたと時など近くに医療機関はありません。“行けたとしても数時間後”というのでは意味がありません。アナフィラキシーは分単位で悪化します。気道(空気の通り道)が詰まって、数十分も生きられる方はおりません。しつこいようですが、病院まで間に合わん!ということです。そこで、開発されたのがエピネフリン自己注射液「エピペン」です。ご自分で打っていただく、というわけです。
名前の通り、エピネフリンが充填されているペンです。というわけで「エピペン」。どこかのバドミントンのコンビのようですね。林業に携わる方や重度の食物アレルギーを持っている方が万が一の時に備え携帯することができます。
昨年の秋に保険診療で処方することが出来るようになり、重度の食物アレルギーを持っている方、林業に携わる方にとって朗報です。
当院でもたった1人だけですが、処方しました。使用はされていないようですが、それに越したことはありません。