医師向けのサイトm3.comに、大腸内視鏡検査を受けた人は大腸がんのリスクが低下するという報告がレポートされていましたので紹介します。2011年1月のAnn Intern
Medによると、50才以上の大腸がん患者1688人を、対照となる1932人のデータと比較して、大腸内視鏡検査とその後の大腸がんのリスクとの関連を検討。その結果、過去10年間に大腸内視鏡検査を受けた患者は、受けていない患者に比べ大腸がんのリスクが77%も低下し、特に下行結腸やS状結腸といった左側の大腸がんのリスクが、検査とポリープ切除により大幅に低下することが明らかとなりました。
大腸がん検診は昨年同様に行っており、当院でも多数の方が受けています。状況が許すなら、検査結果が陰性であっても、数年に1度は大腸内視鏡を受けるように勧めています。
さて、大腸がんと日常生活との関係のお話もしましょう。
食事の欧米化に伴い、日本人にも大腸がんが増えています。かつては、欧米人には大腸がんが多く、日本人は少なかったのです。しかし、現在は状況が違ってきています。
昔から肉食の人は大腸がんになりやすいというデータは欧米からの報告がありますが、日本人でのデータが示されました。2011年11月28日の日経新聞夕刊で国立がんセンターの報告が紹介され、それによると大腸はもとも解剖学的に結腸と直腸に分けられるのですが、45-74歳の8万人を調査対象にしたデータで調査中大腸がんになった人は1145人、うち結腸がん788人、直腸がん357人。それらの患者さんを分析すると、牛肉・豚肉・鶏肉などを毎日100g以上食べる男性は、それ未満の男性に比べ結腸がんのリスクが48%高まり、女性では80g以上食べると48%高まったとのこと。この分量はたとえば、とんかつ定食などを食べればすぐにオーバーです。皆さん動脈硬化の予防のみならず、がんの予防のためにも肉の摂りすぎに注意して下さい。
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