起立性低血圧と思われる症状を訴える方が、そこそこ来院されます。『たちくらみ』は何も高齢者の専売特許ではありません。若い女性にも多く見られます。
かなりの確率で起立性低血圧です。強い重力が上下方向に加わる事で、脳の血流が少なくなり失神するのです。
さて、起立性低血圧以外のたちくらみの原因としては、大動脈弁狭窄症や心不全に不整脈などの循環器疾患や、糖尿病その他による自律神経障害なども考えられますのです。当院でも心電図、エコーなどの検査により診断しています。
特に糖尿病による自律神経障害や心疾患は重篤な問題がある場合があります。
若い女性などで、高血圧等の基礎疾患が除外された場合には、飲水や塩分摂取を促したりします。内服薬による治療もありますが、塩分摂取などで改善しない場合に選択します。
起立時に胸腔内圧を上げないように足や腹部の筋肉を緊張させるのも有効です。生活指導では、アルコールは控えるように指導しています。
寒暖の差も血圧変動から起立性低血圧を起こすことがあります。