糖尿病治療指標である、グリコヘモグロビン値HbA1cには2種類あり、日本独自基準JDS値と海外基準NGSP値があります。医学の正解でも、日本は“ガラパゴス化”していたわけです。
昨年から移行措置として、採血結果は日本独自基準JDS値と国際標準値NGSP値が併記されていました。日本の基準HbA1c6.2%(JDS)の方であれば、0.4を足した値が国際標準となります。例えば、HbA1c6.0%(JDS)の方は、HbA1c6.4(NGSP)という表記になるわけです。
日本糖尿病学会の指針に従って厚生労働省から通達があり、今まではJDSとNGSPが併記されていましたが、平成25年4月から、国際標準値NGSP値のみが記載されることになりました。
たかが0.4、されど0.4・・。
糖尿病が健診で初めて見つかり、5.8以下を目標に食事、運動をがんばってきたとします。従来の値でHbA1c5.8(JDS)まで下がっても、国際標準値では6.2(NGSP)となり、まだままだ高い印象を受けます。実際は基準値の違いで同じなのですが。このあたりは時差の感覚に似ている!?(と感じるのは私だけか)
また糖尿病合併症予防のため6.5以下を目指して、内服、食事、運動をがんばってきた方が、従来の値で6.6%(JDS)まで下がったとします。ようしあともう一がんばりと言う気になりますが、国際標準値では7.0(NGSP)となり、なんだか損をした気分というかやるせない気持ちになってしまいます。基準値の違いだけで、同じ当人の血液なのですが、随分と印象が変わります。
単位の違いというのは慣れるしかないのですが、そうは言っても難しいものです。わたくしもこの1年間、移行期間とは知りながら、JDSで患者さんには説明していました。以前からのデータとの比較がありますから。
4月からはJDSからNGSP値へ完全移行のために、糖尿病値HbA1cが急に高くなり、糖尿病が悪くなったように感じるかもしれませんが、単に基準値の違いです。検査結果をみて、悲しい顔の患者さんが今から想像できます・・・。わたくしもしっかりと説明していかねばなりません!
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