日本小児科学会 水痘ワクチン,追加接種の推奨時期を「1歳6カ月~2歳」に早める (MT Pro 2012.5.22より抜粋)
乳幼児ワクチンの接種スケジュールを作成している専門家団体が最近,相次いで水痘ワクチンの接種時期の変更を発表した。
5月21日,日本小児科学会が水痘ワクチンの2回目の接種時期を「18カ月以上2歳未満」に早めることなどを公式サイトで明らかにした。
国立感染症研究所および「NPO法人 VPDを知って,子どもを守ろうの会」(以下,VPDの会)も最近,水痘ワクチンの2回目の接種時期を「1歳3カ月~5歳」と変更することを発表している。
1回接種による有効率低いことが明らかに
日本小児科学会,感染研,VPDの会では,水痘ワクチンの1回目の接種を1歳以降から行うよう推奨している。ただし,2回目の接種推奨時期は「5歳以上7歳未満」(日本小児科学会),「3~6歳」(VPDの会)とされていた。
日本小児科学会によると,
(1)日本の最近の研究で水痘ワクチンの1回接種での有効率が低いだけでなく,接種後1年程度で水痘罹患率が上昇することが明らかになってきた,
(2)1回接種かつ1年間水痘感染が認められなかった小児への2回接種で1回接種を大きく上回るブースター効果が確認された
—ことなどが明らかになってきたという。
これを受け「小児への水痘ワクチン接種が十分に行われておらず,水痘の流行が抑制されていないわが国の現状では,同様の状況にあったドイツのスケジュールを参考に2回目の接種時期を18カ月以上2歳未満(初回接種後4~12カ月後)に変更した」と述べている。
接種率は約40%,疾病負担の実態あまり知られず
水痘ワクチンは予防接種法上の任意接種に位置付けられている。
「接種率は約40%と決して高くない」と薗部友良氏(VPDの会理事長)。
しかし,日本では毎年約100万例が罹患し,2,500例が入院,いまだに水痘そのものや合併症による死亡例も少なくないと推計。こうした実態は医療関係者,保護者にあまり知られていないという。
成人の風疹感染はマスコミでもかなり取り上げられています。MRワクチンの接種がすすむことは良いことです。一方で、水痘を含めまだまだ予防接種率の低い感染症も多いです。
私のこどもが通う幼稚園でも水痘の子供が発生していました。当院には成人の患者さんが多いですが、水痘ワクチンも風疹同様に重要です。