ピロリ菌とは?
ちょっと前までCMで見ることもあったくらいですから、御存じの方も多いかもしれません。外来でもちょくちょく質問を受けたりします。
胃粘膜の中に住んでいる菌で、正式名はヘリコバクター・ピロリですが、略して「ピロリ菌」もしくは「ピロリ」と呼ばれています。
十二指腸潰瘍や胃潰瘍のほとんどは、ピロリ菌が胃にはいりこんできて起こる病気です。
一度潰瘍になった人が潰瘍を何回も繰り返すのは、ピロリ菌が、一度胃の中に入り込むとそのままずっと胃の中で生き続けるためです。
“かいよう”の再発予防のためにピロリ菌の除菌が積極的に実施されています。
では、そもそもピロリ菌を持っているかどうかはどうやって分かるのでしょうか?
一番正確な方法は、ピロリ菌がすみついている場所「胃」を直接調べる方法です。胃カメラで「胃」の組織を極微量採取して、1週間ほど培養、有無を判定します。「ピロリ菌培養検査」これが標準的かつ最も正確な検査です。
しかしこの方法にはどうしても避けられない点があります。胃カメラ検査が必要なのです。そこで、胃を直接調べず(胃カメラが必要なく)ピロリ菌の有無が分からないかと言う事で開発された検査方法がいくつかあります。
①息を調べる方法「尿素呼気テスト」、
②血液を調べる方法「血清ピロリ抗体価」、
③便を調べる方法「便中ピロリ抗原検査」があります。培養法に比べ簡便に出来るのが特徴です。
胃カメラ検査施行時に、胃潰瘍、十二指腸潰瘍が見つかった場合に潰瘍の原因であるピロリ菌有無を調べます。ピロリ菌を直接調べる「ピロリ菌培養検査」にて有無を判定します。除菌治療を行い、消えたかどうかの判定は、便を調べる方法「便中ピロリ抗原検査」で行います。
その他、以前他の病院にてピロリ菌治療を受けたものの、最終的に消えたかどうかを確認しないままになっているので調べたいとの希望がある場合には、胃カメラを必要としない、便を調べる方法「便中ピロリ抗原検査」などを行うこともあります。
それぞれの検査方法には長所短所があります、適切な方法を説明いたします。診察時にご相談ください。