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インフルエンザ、漢方薬(麻黄湯)という選択肢も

インフルエンザ、漢方薬(麻黄湯)という選択肢も (2012年02月26日 日 09:20)|病気|

インフルエンザの流行はやや下降気味か、という印象です。国立感染症研究所感染症情報センターによると、昨年の10月からインフルエンザの報告数は増え続け、2月第1週には47都道府県全てでインフルエンザの流行が「警報レベル」となりました。抗ウイルス薬の副作用から、漢方薬による治療にも改めて注目が集まっています。 インフルエンザに効果がある漢方薬としてまず名前が挙がるのは「麻黄湯」です。

麻黄(まおう)、杏仁(きょうにん)、桂枝(けいし)、甘草(かんぞう)からなる麻黄湯は、字のごとく麻黄を含む漢方薬です。お湯に溶かして4時間毎に服用するよう説明することもあります。通常は食間に1日3回ですが、1800年前にまとめられた漢方の「傷寒論」には「2日量を1日で」と書いてありますから、通常の倍量、すなわち4時間毎となります。はやく症状を緩和したいのに、1日3回などと悠長なことは言ってはられないのです。抗ウイルス薬などの西洋薬との併用は問題ありません。

今日はこれから名張に温泉に入りにいきます。宇陀をとおりますが、「葛」をつかったお菓子や料理をよく見かけます。「葛根湯」の「葛」ですね。もともと奈良は漢方とは縁の深い土地柄です。あの「ツムラ」ももともとは奈良の会社ですから。

漢方薬に怪訝な顔をされる方もいます。患者さんが、安全に、かつ効果的に治れば、その方法は問わないというのが私のスタンスです。漢方薬は、その意味では理屈が通る薬です。しかも安い!!私はツムラの回し者というわけではありませんが、それなりに効果も実感できています。適応を選んで使う、ということでしょう。

90歳の女性で、「なんとなくしんどい」と言って来院されました。デイサービスからは、ほかの方がインフル出たので兎に角調べてきてください!と言われたそうな。「発熱もなく、インフルエンザなんて・・・。これで検査なんて無茶言いよる」とブツブツ言いながら調べたら、陽性です。即座に抗インフルエンザ薬を点滴で使用しました。患者さんには選択の余地はないと判断しました。つまり高齢であり、いまの状況を乗り切れなかった(肺炎などを合併する)ら、“次”がないからです。マンションから飛び降りるなどもありえません。車いすで来られていますから。

別の方も紹介しましょう。家族がインフルエンザという診断を受けた、若いお母さんと小学生の子供。発熱もあり、インフルエンザの可能性は濃厚。しかし2回の検査でいずれも陰性。私は、抗インフルエンザ薬を処方せず、対症療法のみとしました。しかし、「私はとにかくインフルエンザの薬がほしい」と言って、怒って帰られました。

漢方薬もふくめ、病気の重症度・治療の緊急性・副反応(副作用)など、総合的に判断して治療をしていきたいと思っています。

ちなみに写真は「麻黄」です。



 
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