帝塚山クリニックの音川です。ブログを読んでいただき、ありがとうございます。本日は「痛風」のお話をします。よく聞く病名ですね。
痛風は、関節が熱をもって赤く腫れる痛風発作が起こる病気で、男性に多く発症します。痛風発作はある日突然発症し、数日は歩けないほどの激痛がありますが、長くても1週間くらいで自然に治まっていきます。多くは足の親指の付け根の関節に起こります。くるぶしや膝、手首などに発症することもありますが、複数の関節ではなく、1か所の関節だけに発作が現われます。私も正確な診断までは受けていませんが、くるぶしの痛みは経験があります。確かに痛いです。
比較的若い人の発症が大変増えているため、自分は健康と思っていても注意が必要です。中高年になってから初発することは少ないと言われています。背景には「過食」「食生活の変化」「運動不足」といった生活習慣の変化が関係しています。
痛風の原因となるのが尿酸という物質で、プリン体からつくられます。プリン体は、遺伝子を構成する成分の1つで、新陳代謝で細胞が死滅する際に放出されます。プリン体は肝臓で分解されて尿酸になり、腎臓から排出されることによって一定量に保たれています。しかし、産生が多くなったり排出が少なくなると、血液や関節液に含まれる尿酸が増加し、痛風の前段階である高尿酸血症になります。尿酸が増えて、関節液の中で溶けきれなくなり沈着すると、白血球が集まりこれを溶かそうとします。このときに出る酵素などの物質により、痛みや炎症が起きます。
高尿酸血症では自覚症状が現れないため、診断には血液検査が必要です。血液中の尿酸値が7mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。これを超えると痛風発作のリスクが高まり、9mg/dlを超えると発作が起こる可能性は極めて高くなります。放置していると、痛風結節や尿路結石、腎機能の低下など、さまざまな合併症を起こす危険性があります。高血圧や心臓病とも関係しています。
尿酸値を上げるリスクには、「男性」「肥満」「アルコール飲料をよく飲む」「肉や魚の内臓が好物」「水分をあまりとらない」などがあげられます。夏の炎天下の河原で、でっぷり超えた男性が、ビール片手にバーベキューをしている・・・よくある光景ですが、かなりリスクの高い状況です。
尿酸値は性別や体質のほか、生活習慣とも深く関わっています。リスクに該当する場合は、一度尿酸値を調べておくとよいでしょう。