明日でもう4月ですね。院長の音川です。みなさんいかが週末を過ごされていますでしょうか。クリニックを引き継いで、1年になります。早いものです。いろいろな方々の支えがあって、なんとかやって来られた1年です。昨日もスズケンさんが自宅まで!緊急のワクチンを届けてくれました。本当に感謝です。
今日の午前診療の後に、市立柏原病院のO山先生が遊びに来てくれました。顔が見られただけで、本当にうれしかったです。先週の結婚式と同じ。言葉は要らない。
さて。クリニックの近隣の方は、海外旅行に行かれる方が多いようで、2人目の英文診断書依頼を受けました。町医者として、ちょっとは貢献できている気がして、嬉しい気分です。私が診療している地域のみなさんの、寿命とQOL(生活の質)を向上させるのが、私の究極の存在意義ですから。
私は英語が苦手ですので、海外旅行に行ったときに、私自身も上手に病気や薬のことがスラスラと伝えられるわけではないのです。そんなとき、予め準備しておいた診断書を出せば、相手もそれなりに理解してくれるというものでしょう。
診断書の効果は、病院に限りません。空港や何かの間違いで警察にお世話になったときです。こんな場目が目に浮かびます。
空港職員「ちょっとそこの君、君のことや!鞄の中の白い粉はなんぞや!この針は何や、貴様麻薬しとるんちゃうか」
となるわけです。もちろん海外ではこんな関西弁ではしゃべってくれません。英語やほかの言語・・・、しかもなんだか怒ってるようだし・・。日本語だったら説明できるのに。悔しーー。
話が脱線してばかりです。本日のテーマ。一応、春に因んで。
海外への転勤、旅行、ボランティアなど様々な活動に備えA型肝炎ワクチンを接種される方が最近多くなっています。ワクチンを接種する時に伝えている事を簡単にまとめておきます。渡航予定が有る方はご参考にどうぞ。
感染経路は、A型肝炎はウイルスに汚染した食材から感染します。カキなどの二枚貝の生食によることが多く、冬から春にかけて多発することが多いです。
海外では水や食べ物に注意はしていると思いますが、感染経路は「経口」であり完全な予防は困難です。最近では、男性同性愛者の性行為による感染も増加しています。感染後3-4週間の潜伏期間を経て、発熱・倦怠感・黄疸などを発症します。最初は「なんだか変なカゼだなぁー」という感じで始まります。
日本人の抗体保有率について。衛生環境が悪かったころは、日本でも知らない間にA型肝炎感染して抗体を持っている事がよくありました。これを不顕感染といいます。上下水が発達して、衛生環境が良くなった現在の日本ではA型肝炎に接する機会は殆どありません。そのため、60才以下の大多数は抗体(A型肝炎に対する抵抗力)を持っていません。そこで、A型肝炎ワクチンが必要となるのです。
A型肝炎のワクチンは全部で3回接種します。
1回目接種
1回目接種2-4週間後に2回目接種
1回目接種6ヶ月後に3回目接種
3回接種すれば5年間は抗体が保たれます。実際には10-20年有効とも言われています。
海外に行く直前で3回接種する時間的余裕がない場合どうすればよいか?
A型肝炎ワクチンはup to the last minute vaccineとも言われます。
1回の接種だけで1ヶ月後には100%抗体陽性となりますので渡航直前でも効果が期待できるワクチンです。
但し、1回だけの接種では3ヶ月もすれば抗体価が下がってくるので3回接種を受けておく事が大切です。
英文診断書依頼もあり、春からはもっと予防医学に力を入れていくぞ!と気持ちを新たにした、だけどあまりのMRワクチンの低反響に残念な気持ちいっぱいの音川でした。こんなんで麻疹を撲滅できるんか、この国は。
ブログを読んで下さり、ありがとうございました。明日も家族と温泉かな・・・動物園かな・・・。