子宮頸がんは、子宮頚部(子宮の下の方)にできる癌で、性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因です。HPVは感染しやすく、性交渉経験を有する人の大半が生涯一度はHPVに感染します。子宮頸がんの95%以上は、子宮頚部でのHPVの持続的な感染が原因となります。また、HPV感染は子宮頸がん以外にも、肛門がん・外陰部がん・膣がん・陰茎がん・中咽頭がんなどの原因となります。
大事なことは、がんの原因がウイルス感染であるということを認識することです。ワクチンが存在するため、高確率で“子宮頚がんは、予防可能な癌”ということになります。
定期接種対象者(小学6年生~高校1年生相当の女子)が対象となります。キャッチアップ接種(ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの積極的勧奨の差し控えにより、接種機会を逃した方)についても、奈良市ホームページをご覧ください。
令和6年7月の時点では、男子については対象となっていません。今後、対象拡大する可能性もあるため、奈良市ホームページで確認することをおすすめします。
現在おもに使用されているワクチンは、シルガード9です。HPVにはいくつかの種類(型)があり、9価ワクチン は、このうち9種類のHPVの感染を防ぐワクチンで す。その中でも、子宮頸がんの原因の80~90%を占める、 7種類のHPV※の感染を予防することができます。 ※16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型
因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状を含めて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があがったのは、接種1万人あたり、シルガード9では約3人です。このうち、報告した医師や企業が重篤と判断した人は、接種1万人あたり、約3人です。定期接種による重い副反応の場合には、法に基づく予防接種健康被害救済制度の対象になることがあります。
9価ワクチン(シルガード9)で接種を開始する方は、 決められた間隔をあけて、合計3回接種します。 1回目または2回目に気になる症状が現れた場合 は、2回目以降の接種をやめることができます。15歳未満の女性であれば、合計2回の接種で完了することも可能です。
2024年時点で、6年間の世界的な臨床試験により、シルガード9は子宮頸がんの予防において、90%以上の効果を示しています。
注射部位の疼痛(89,8%)、腫れ(39.4%)、紅斑(33.7%)、頭痛(10%)が主なものです。