帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスの感染によって起こります。最初の感染で水ぼうそう(水痘)が起こり、それが治った後も水痘帯状疱疹ウイルスは神経に潜んでいます。しばらくしてから潜んでいたウイルスが再活性化することで帯状疱疹が起こります。帯状疱疹の症状は、皮膚の痛み・かゆみ・違和感と水疱がメインになります。皮膚の症状が神経に沿って帯状に起こるため帯状疱疹といいます。目や耳の周囲に症状が出た場合は、重症になりやすいので注意が必要です。
帯状疱疹ワクチンには、2種類あります。
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」自体の帯状疱疹予防に関するデータはありませんが、同じOka株を元に作成されたほぼ同等のウイルス力価であるZOSTAVAXのデータがあります。60歳以上を対象とした研究では、接種後3.12年間で帯状疱疹発症が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛(PHN)発症が66.5%減少しました。50〜59歳を対象とした別の研究では、帯状疱疹の発症予防効果は69.8%でした。効果の持続期間を調べた研究においては、ワクチン接種後1年以内の帯状疱疹発症予防効果は68.7%でしたが、接種後8年目では4.2%まで低下していました。
シングリックスの2回接種の効果については、臨床試験において、帯状疱疹の発症予防は50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%と高い有効性を認めました。帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症予防についても、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%の減少率を認めました。シングリックスの有効性ついては追跡調査が行われていますが、2022年10月に、ワクチン接種後少なくとも10年間は予防効果が持続することが確認されました。
詳細については、個々人で推奨ワクチンが異なるため、クリニックにお問い合わせください。